京都を拠点に、パフォーミングアーツのカンパニーとして活動している「ソノノチ」のマネジメント会社として、そして今後より多彩なフィールドで活動を継続するために、2022年5月2日、合同会社nochiを立ち上げました。
(そもそもあまり広く告知できていませんでした。すみません。)
おかげさまをもちまして、合同会社nochiは今日、設立1周年を迎えました。
まずは、これまで支えてくださった皆さまに心からお礼申し上げます。本当にありがとうございます。
下記、代表のコメントです。
【5月2日が特別な日になった日のこと】
去年の今日、まだまだコロナの影響が残る中、マスクをつけて法務局に行った日のことを思い出します。午前中に会社を設立したらお願いすることになるであろう税理士さんに会っていて、「では、法務局に行ってきます!」気合十分に別れたものの、それなりに人生で初めてのことですから、緊張していました。しかも行きがけに雨が降ってきて、バスも混み合ってて、幸先が悪いようにすら感じました。
法務局に来るのは、京都舞台芸術協会の登記の申請手続き以来、かなり久しぶりのことでした。スーツ姿で右往左往している人たちを横目に、登録免許税の印紙を買うための6万円を脇に握りしめて、おそるおそる書類を提出しました。昨晩何度も確認したけど、それでもミスがあったらどうしよう。何だか、準備したことを試されるテストのような心地でした。職員さんは手慣れたように書類を受け取り、「受理しました」と言いました。あまりにその瞬間はあっけなく、そのままなんとなく1階に降りてベンチに座りました。これが会社設立の瞬間でした。
そわそわしていました。スマホを落っことしそうになりながら、設立にあたってお世話になった方と、家族と、カンパニーのメンバーに、順に連絡をしました。まるで子どもが生まれましたよ、とでもいうように。たくさん「おめでとう」と言ってもらったり、「ここからはじまりだからね」と激励の言葉をもらいました。
そういえばふと、今日は何の日だろうと気になって、スマホで調べました。八十八夜、そうかお茶にちなんだ日が多いのはこのためか。郵便貯金の日、交通広告の日・・・。実はこの日を選んだのは特に理由はなく、書類の準備が整ったのがこの日で、しかもここを逃すとゴールデンウイークが終わるまで手続きができなくなるからです。もちろん誕生日とか、劇団の旗揚げ日と一緒にするとかそれこそいろいろな候補はあったのですが、それまで置いておくとこの気持ちがどこかに行ってしまいそうだったので、出せる最短の日に出すことにしました。一年の中で、自分にとって特別な日がこうして増えることは、それはそれでいいなと思えました。
そして、法務局での次の手続きはなんだろうと、会社設立の参考にしていたウェブサイトを開いた時に、「会社設立におすすめの日はいつ?」という特集が目に止まりました。なんだ、設立におすすめの日なんてあるのかと思い開くと、一番上に2022年5月2日がありました。この日は暦上では<一粒万倍日>と言って、一年に数日しかない貴重な日だったのです。一粒の種籾から一本の稲ができ、この稲から万倍もの数の米が穫れることから、この日に始めたことはやがて大きな成果を上げると考えられるそうです。何かをはじめるのにはとても縁起の良い日だったのです。
運がいいと喜ぶ反面、これはもはやこけられない・・・とも思いました(笑)。
舞台芸術で社会と関わり合っていくこととはどういうことだろう。私たちのやっていることの影響とはどんなものだろう。私たちは何ができるだろう。何がしたいだろう。考え続けた一年でした。そして、これからもこの問いはずっと続いていくでしょう。
マネジメント団体であるソノノチは今年で10周年を迎える中、nochiはまだよちよち歩きを始めたばかりの会社です。初心と感謝を忘れずに、これからも舞台芸術を通じたたくさんのチャレンジをしていきます。そして、できればご一緒に。ぜひ、皆さんの活動とも様々なかたちでコラボレーションさせてください。
今後とも、もはやこけられない合同会社nochiを宜しくお願い申し上げます。
代表 中谷和代