【終了御礼】ソノノチ×Robin Owings『あなたはきえる』原泉バージョン

ソノノチ×Robin Owings『あなたはきえる』原泉バージョンの上演が幕をとじました。

ランドスケープシアターという、私たちにとって大切な作品が生まれた場所であり、美術制作を担当したRobinと出会った場所でもある原泉での上演。
京都〜静岡の約1年間を経て、『あなたはきえる』という作品が内包する移ろいゆく時間の中で、人の営みと風景のあり方を見つめる作品となりました。

以下、パンフレットに掲載されたテキストを、結びの言葉に変えて。


季節が過ぎるように、私たちは日々ゆっくり、ゆっくりと変化していきます。その中で、どこかに忘れてきた“わたし”のことを考えています。彼女たちは薄いカーテンの重なりの向こう側にいて、そのほとんどがいつか見えなくなるのでしょう。
ふと、演劇を始めた頃を思い出していました。かつての私は、いつまでも変わらないために、忘れないために作品をつくっていました。けれど今は、そうではありません。変わっていい、忘れてもいいと思えることがあるのです。なぜなら、遠ざかっていくものを見つめる時にこそ、たしかにここにあったことを実感できるからです。

コロナ禍を経て、本当にいろいろなことがあったはずなのです。
すべてを思い出すことはできないし、かといってすべてを忘れ去ることもできません。こうして原泉のあちこちに、きえてしまった私たちの影があります。
その影の背中を追うようにこの作品も、まもなくここにあらわれて、まもなくきえるでしょう。
今は少しさびしいのですが、そのさびしさが私には、なんとも美しいと感じられます。

これまで共に考え、経験を共有してくれたRobin Owingsと、クリエイションメンバー、そして上演を受け入れてくださった原泉アートプロジェクトと地域の皆さんに心から感謝します。

ソノノチは次につづきます。


クリエイションを終えてのレポートをこちらに公開します:https://note.com/sononochi/n/nfac426d9596a

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撮影:脇田友
撮影:脇田友
撮影:脇田友
撮影:脇田友
撮影:脇田友
撮影:脇田友

もっとこの作品のことを知りたい方へ、ソノノチオンラインショップで上演のパンフレットを販売しています。創作プロセスを写真やコラムで綴ったパンフレットです。ぜひご覧ください。

初演の上演の様子をまとめて開催レポートを公開しています。クリエイションメンバーの創作を終えての対談やポストトークなどをアーカイブしています。こちらからご覧ください。https://sononochi.com/performance202307_report
初演の上演写真はこちらの記事からご覧いただけます。

ソノノチ×Robin Owings『あなたはきえる』原泉バージョン 公演情報はこちら

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ソノノチ×Robin Owings『あなたはきえる』原泉バージョン
構成・演出|中谷和代
美術制作|Robin Owings
出演|藤原美保、芦谷康介、宇津木千穂、岸本昌也、筒井茄奈子

日程|2024年3月23日(土) -24日(日)
場所|旧原泉第二製茶工場とその周辺

【クレジット】
舞台監督:脇田友
演出部:neco
楽曲製作:瀬乃一郎
衣装:清川敦子
宣伝美術:ほっかいゆrゐこ
制作部:渡邉裕史、田中直樹、永澤萌絵
アーカイブ:柴田惇朗

協力:一般社団法人フリンジシアターアソシエーション、サファリ・P、スピカ、劇団三毛猫座、廃墟文藝部、森岡りえ子

企画・製作:ソノノチ
主催:ソノノチ/合同会社nochi 原泉アートプロジェクト

supported by KAIKA 芸術文化振興基金助成事業

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