2人の「つながせのひび」アフタートークアーカイブ(2)

12月24日(土)17:00の回
ゲスト:富永大士さん(画家)
作・演出の中谷和代と、画家でアクセサリー作家でもある富永さんとのトーク。

<出会いのきっかけ>
ソノノチと富永さん(アウラ・ロコ)の出会いは、閉店後の美容室で開催されたフリーマーケットに、一緒に出店していたこと。結婚指輪を作っていただいた仲。

<富永さんの作品について>
年に数回の絵の展覧会+アクセサリーの販売で主な収入を得ている。
アクセサリーは、らくがきのような絵をそのまま身につけてもらうイメージ、先にビジュアルがありき。大学四年生で子どもができて学生結婚、バイトと展覧会の両立から、生活を成立させることに必死な毎日へのシフトした。
絵は、自分そのものや、人間の生活がモチーフになることが多い。一切教育を受けていないような、野性的な自分がこの世界を見たらどんなふうに見えるかを描いている。
絵を見て、気持ちのざわつきがすっと楽になるような、糸のほつれがほどけるような感じがする(中谷)

<作品の感想について>
今はまだあまりまとまっていない。家に帰って、お風呂に入った時にふと思い返しそうなかんじ。
・「つながせ」というタイトルが気になる。
→つなぐ、という言葉からの派生。一般的な言葉ではない。前作、1人の「つながせのひび」は、今回上演した2人バージョンの過去のお話。おばあちゃんの遺してくれた絵本を読む中で、主人公がおばあちゃんとの様々な思い出をつないでいくイメージから名付けた。(中谷)
・「忘れる」ということがテーマになっているように感じた。忘れるということは素敵なことだったりもするが、思い出していかないといけない大切なこと、もある。太陽と月のように、互いに会えなくても、相手のことを考える、思い返すということの大切さ。
・夫婦、精神性と具体性が互いにバランス良く存在している世界観を表している。
・ヴァルター・ベンヤミンという哲学者のことを思い出した。歴史に到達できない天使の話。この話に影響されてクレーが「忘れっぽい天使」という絵を描いている。
・絵画制作の森岡さんは、天使を光や希望の象徴として描いている。

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12月25日(日)14:00の回
ゲスト:いちろーさん(作曲家)
作・演出の中谷和代と、作曲家で本公演の楽曲を提供いただいた、いちろーさんとのトーク。

<劇伴のつくりかた>
・制作のながれ=ソノノチから脚本や稽古の動画などを送る。→いちろーさんから短い音楽のスケッチのようなものが送られてくる。→それにコメントをして、楽曲の本制作開始。
数回クリエイションをご一緒することで、このスタイルを確立させることができた。最初は修正の指示など、伝え方に工夫もしていて合意をつくるのに時間がかかっていたが、複数回一緒にやることでだんだんスムーズに、短時間で思い通りのものができるようになってきた。
・互いのこだわりの差が分かる瞬間が面白い。
・曲は、鍵盤を実際に弾いてつくることもあれば、打ち込みスタイルで制作することもある。コンピューターを使って作成している。(いちろー)
・今回のお芝居のストーリーのテーマとなったモチーフは、森岡さんの絵を見て決めた。月、天使、灯りなど。月と太陽が夫婦のあり方のように見えてきた。

<バンド活動について>
鍵盤参加で、名古屋の「白線の内側」というロックバンドをやっている。一人芝居+バンド。演劇に関わっている人達でバンドを組む。(いちろー)
ライブで関西に最近良く来ることがあり、地域ごとの特色について発見がある。

<音に対するこだわり>
職人肌。音響や音についてはマニアックなこだわりをもっている。気になる、という気持ちがこだわりにつながり、創作に結びついている。

 

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